試料面でのピクセルサイズの計算方法
ピクセルサイズ(µm/px)= カメラのピクセル(µm)× ビニング ÷(対物レンズ × カメラアダプター)
カメラ自体のピクセル(例:多くの sCMOS カメラでは 6.5 µm、一般的な CMOS センサーでは 3.45 µm)は、対物レンズと(あれば)カメラアダプターを通して試料上に投影されます。2 × 2 のビニングは 4 ピクセルを 1 ピクセルにまとめるので、ピクセルサイズは 2 倍になります。顕微鏡の接眼レンズは関係しません。
計算例:6.5 µm のピクセル、60× の対物レンズ、1× アダプター、ビニングなし:6.5 ÷ 60 = 1 ピクセルあたり 0.108 µm、つまり 1 µm あたり 9.2 ピクセルです。お使いの対物レンズの Nyquist ピクセルサイズと比べると、カメラが光学系を適切にサンプリングしているかがわかります。
ステージマイクロメーターによるキャリブレーション
この公式は公称倍率が正確であることを前提としていますが、実際には通常数パーセントの誤差があります。論文で発表する計測では、対物レンズごとに一度キャリブレーションを行ってください。ステージマイクロメーター(目盛りが刻まれたスライド。1 mm を 10 µm ずつ 100 目盛りに分けたものが一般的)を撮影し、収まるだけ多くの目盛りに沿って線を引き、実際の長さをその線のピクセル数で割ります。
計算例:マイクロメーターの 100 µm が 400 ピクセルにわたる場合:100 ÷ 400 = 1 ピクセルあたり 0.25 µm。Fiji では Analyze › Set Scale で同じことができます。SlideScope では、ファイルにピクセルサイズが含まれていない場合、View › Set Pixel Size… でその画像に保存できます。
全スライド画像における 1 ピクセルあたりのマイクロメートル(MPP)
スライドスキャナーはベースレベルのピクセルサイズをファイルに記録します(Aperio SVS は「MPP」、ほかの形式は同等のタグ)。慣例として 40× スキャンは 1 ピクセルあたり約 0.25 µm、20× スキャンは約 0.5 µm ですが、正確な値はスキャナーによって異なります(OpenSlide の CMU-1 テストスライドは 20× の Aperio スキャンで、0.499 µm/px と記録されています)。ピラミッドの各レベルでは MPP にそのダウンサンプルが掛かるので、ダウンサンプル 16 の 40× スライドのレベル 2 は 1 ピクセルあたり 4 µm となり、約 2.5× に相当します。
Python では openslide.OpenSlide(path).properties["openslide.mpp-x"] で読み取れます(Python で SVS ファイルを読み込むを参照)。SlideScope を含むデスクトップビューアはこの値を自動的に読み取り、スケールバーの描画に使います。
質問
1 ピクセルあたりのマイクロメートルはどう計算しますか?
カメラのピクセルサイズを、試料からカメラまでの総合倍率(対物レンズ × カメラアダプター)で割り、ビニングを掛けます。または、ステージマイクロメーターを撮影し、既知の長さをそのピクセル数で割ります。
病理における MPP とは?
Microns per pixel(1 ピクセルあたりのマイクロメートル)の略で、全スライド画像の 1 ピクセルが試料上で占める幅です。慣例として、約 0.25 µm/px を 40×、0.5 µm/px を 20× と呼びます。
画像のスケールバーが間違っているのはなぜですか?
ファイルにピクセルサイズが含まれていないか、誤った値が入っています(TIFF の書き出しによっては 1 インチあたり 1 ピクセルと保存されることがあります)。キャリブレーションでピクセルサイズを設定してください。Fiji では Analyze › Set Scale、SlideScope では View › Set Pixel Size… を使います。
接眼レンズでピクセルサイズは変わりますか?
いいえ。カメラが捉えるのは対物レンズ(とアダプター)が結ぶ像であり、接眼レンズを通した像ではありません。
この計算ツールは無料ですか?
はい。ブラウザー内で動作し、どこにもデータを送信しません。同じチームが開発したデスクトップ顕微鏡アプリ SlideScope は、無料のサンプルライブラリ(全ツール利用可)が付属する有料アプリで、ご自身の画像にはサブスクリプションが必要です。
出典
結果は理論値または計算値です。臨床業務や規制対象の業務で用いる前に、お使いの機器の資料と照らし合わせて確認してください。
実際の画像で計測する
SlideScope は CZI、ND2、SVS、LIF を含む 34 種類の顕微鏡・スライドスキャナー形式を、それぞれの校正情報とともに開くため、長さ、面積、細胞数、スケールバーを設定なしで µm 単位で得られます。内蔵サンプルですべてのツールを無料でお試しいただけます。ご自身の画像を開くにはサブスクリプションが必要です。もうお決まりですか?今すぐ登録。